マルチビタミンのふしぎ
僕は昔からサプリメントが好きだった。
気持ちの面で、なんとなく健康になれる感じもしていた。
そして大学ではビタミンの話を生化学という授業の中で習った。
しかしその授業はあっという間に終わってしまう、すごく短いものだった。
それからもう10年以上たつ。
サプリメントに対する知識のアップデートをしようと一念発起。
夏にいろんな本を買いあさり、今まで忘れていたような事も思い出した。
面白いところではマグネシウム(ビタミンじゃないじゃん、という突っ込みも大歓迎)が糖尿病の人のインスリン感受性をあげるらしい、とか、前にも書いたOMEGA3などに含まれる脂肪酸が心血管障害の発症率をさげる、などなど(またビタミンじゃないよ・・・)
そんな中で昔からすごく不思議に思っていたことがある。それはマルチビタミンということで売られている錠剤の組成について。
ビタミンには脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンがあって、脂溶性の代表例はビタミンA,Dで、水溶性の代表はビタミンB,Cである。脂溶性というのは油に溶けやすいが水には溶けづらい。逆に水溶性は水に溶けやすいが油には溶けづらい。
水溶性のビタミンは過剰に摂取してもたいていは尿の中に溶けて勝手に排出されることがおおい。つまり過剰症は起こりにくい(もちろん起こりますので飲みすぎには当然注意が必要です)。ただ、ここで問題となってくるのは脂溶性ビタミン。脂溶性のものは油に溶ける。つまり体内の「油が集まる臓器(多くは肝臓や内臓脂肪だったりする)」に溶けて蓄積する。そう、たまっちゃうんです。
ビタミンがたまるんだからいいことじゃないか、と思う人もいると思いますが、そうとは限らない。たとえばビタミンAは目にいいということでよく過剰摂取をする人がいますが、このビタミンの過剰摂取は「催奇形性」、つまり妊娠した際に胎児の奇形を起こすことがあります。また、頭痛や皮膚紅潮、乾燥肌なども起こす。ビタミンDの過剰摂取では体内のカルシウム代謝のコントロール不良となり骨がもろくなったり、結石などを起こしやすくなる。
そうなってくると、マルチビタミンに何でもかんでも入れておけばいい、というものではないということになってくる。多くの人がマルチビタミンをとる理由として美容や代謝といった、水溶性ビタミンであるビタミンBとCによってもたらされる効力を期待して、たまにマルチビタミンを多めに取る人がいるが、残念ながら脂溶性ビタミン過剰症を引き起こす危険性がある。
だからこそ、「マルチビタミンの組成」に関して疑問が出てくる。過剰摂取は十分考えられることだと思うのだが、なぜ脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンをごちゃ混ぜにした錠剤を売っているのか?いっそのこと「水溶性ビタミン」というくくりで、ビタミンBとCを中心にして売ればいいのでは?
きっとそうしないのには何かしらの理由があるのだろうが、それが何なのかは結局のところわからず。
誰かご存知の方がいたら教えてください。
ちなみにマルチビタミンを取られている方は、一日摂取量を越えないように摂取してくださいね。多いほうがいい、ということはありませんので。
たまには役に立ったという人はぜひクリックお願いします。
0 件のコメント:
コメントを投稿