0020/02/28

KISEKI @Madrid

今日はプラド美術館へ、。
エルミタージュ美術館、ルーブル美術館にならぶ三大美術館ということで有名な美術館で奇跡が。

作品はほぼ望んでいたものが見れました。
今回一番見たかったのはヒエロニムス・ボス作の「患者の医師の切除」という絵。
本来あるはずのない頭の中の石を医者が切除するというシーンを描いている。
頭の石は大衆の愚かさや無知を表し、それをもっともらしく治療するという名目でお金を得る医師はモラルにかけているということらしい。そのため、別名で「いかさま」というように呼ばれることもある。

なぜこれが見たかったかというと、いわゆる健康・美容系の商品やサービスの中には消費者の医療知識がないことをいいことに体に効くという証明がされていないものを高い値段で売っている会社が多いことをある意味示しているのかなと思っていたからだ。絵で描かれている医者は医者だけにとどまらずさまざまな職種の医療関係のビジネスを行う人たちに当てはまる可能性がある。もちろん多くの医療関係者はしっかりと勉強もして患者や健康に困っている人に対して誠実にサービスを提供している人たちだ。しかし中にはお金儲けが頭の中心にきてしまったために本来大切にしなくてはいけない「人々の健康」というゴールを忘れてしまっている人もいるように感じる(ネーミングセンスが抜群の僕の友人はそれらのあやしいサービスを「呪術」と評していたが・・・)

今後起業にあたり呪術的なサービス提供にならないように自戒の意味も込めてその絵をしっかりと見てきました。


おまけとして、マドリッド・プラド美術館で起こった奇跡について。

作品を見終わってからカフェテリアに向かう途中で一人の日本人とすれ違った。
なんとなくどこかで見たことがある人だった・・・しかし思い出すことができずにカフェテリアに。すると彼もしばらくしてそのカフェテリアへ。何度見てもどこかで見た顔。でも思い出せない。

まあ、似てるだけだろうし、縁もゆかりもないマドリッドで医療という小さい世界に生きてきた僕の知り合いがいるわけがない。


そう思っていたら彼が僕の座っていた席の方へ様子を伺いながら近づき、「○○大学にいらっしゃいませんでしたか?」と丁寧にたずねてきた。



ああ!!!



大学の1年後輩だ。

1学年80人しかおらず、海外出張もまずない職種にみんな就くうちの学部の知っている後輩に平日のマドリッドの美術館で逢った・・・間違いなく奇跡です。


病院の休暇でスペインに1週間滞在中とのことだ。

偶然ってあるもんですね。


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0020/02/27

ノートの効力とTo do帳



今日から3泊4日のマドリッド滞在。

ロンドンよりも暖かいが時間の流れ方は若干早めに感じる。
東京の雰囲気と似ていると感じます。

夕方の便で到着したため、ホテルの周りをぶらぶら歩いたあと、パエリアを早速いただきました。
やっぱりおいしい!!

マドリッドに来る前のヒースロー空港でモノスキンのノートを購入。
以前からビジネスアイデアなどをいらない紙の裏に書いていたのだが、それを一旦やめることにしてみました。ちょっと高め(13ポンドくらい)のノートを購入後、飛行機の中で早速アイデア整理。
一旦書き出すとどんどんアイデアが出てくる。それと同時にやらなくてはいけないことが整理されてとてもすがすがしい。ものを書くという作業は自分の考えをまとめるだけでなく脳に刺激を与えるのではないかと最近強く感じている。

僕はアイデアを書き出すことも好きなのだが、それと同時に日常の習慣としているノート術がある。それはTo Do帳である。今後やらなくてはいけないことをどんどんノートにリスト化し、終わったらその項目を2重線で消していくという習慣。
高校時代(大学受験の1ヶ月前)からTo Doリストを作るようになったのだが、それは受験勉強で数学や物理に偏りがちだった自分の勉強をバランスよくほかの教科にも振り分けたい、というのが最初の動機だった。

昔から「逆算人間」だった僕は、まず最終的なゴールを指定した上でそこにいたるために必要なプロセスを書き出し、そのプロセスに必要なことをまたどんどん書き出すということを繰り返し、どんどん再分化した結果毎日の生活で行わなくてはいけないことを決めていた。
<例>
大学受験では「○○大学に合格」するためには自分の現状で足りないものを補い、さらに得意分野も伸ばす必要がある。足りないものを補う方が得意分野の得点率を伸ばすよりも短期間での効率は高いと考え、苦手の化学の問題を多めに行い得意の数学の問題は現状維持を目的に数問に押さえる。その結果を「英単語10単語記憶」とか「数学の参考書の練習問題を5問」という形で書き出し、その勉強が終わったら二重線で消す。そして寝る前にその日に行った勉強の進行に基づいて次の日に行う勉強項目を書き出す。それを毎日繰り返し、1週間に一度全体のバランスを見直す。

To Doリストという言葉の存在は大学の後半になるまで知らなかったので、それまでは自分が考え出した「スペシャル」なツールだと思っていた。

To Doリストの根本は、リスト化によって「やらなくてはいけないこと」を「心の中に記憶させる」のではなく「ノートに記憶してもらう」という発想。人間の記憶には数的限界、そして時間的限界がある。気がついたら何をやるべきだったかを忘れてしまう。そして後に「ああ、わすれてた」と気づかされる。そういう時は大抵手遅れなことが多いのだが。

するとそういう失敗から、「今度は忘れないようにしよう」と自分に無駄なプレッシャーをかけてしまう。それが最終的にはストレスにつながる。自分の頭の中の動きを「考える」ことに集中させたくても「覚え続ける」ことにどうしても神経が行ってしまい、結果として「考える」と「覚え続けること」が共に中途半端になりやすい。考えることは自分にしかできないのだから、覚え続けるという作業をほかのものに「委任する」のがベストなチョイスだと思う。To Do帳はその一つの解決策です。

たまにパソコンや携帯でTo do帳をつける人がいますが、僕は断然手書き派。小さなノートにボールペンで書き込む。理由はいつでもどこでも思いついたときにすぐに書き出せる上に、終了した際にその項目を消す作業が一つのアッハ体験(楽しい、うれしいと思う感情)を生み出し、自分の中に満足感を与えることができるからだ。


最近忘れ物が多い、やることが多くて自分が何か遣り残していないか心配でしょうがない、考えるということに集中したい、そう思うことが少しでもある人はぜひTo do帳をつけてみてください。仕事の効率が上がる上に漠然としたストレスがなくなり気持ちのいい毎日がおくれるかもしれません。

これから僕の前にはTo Do帳とアイデア帳の2冊のノートが置かれることになりました。

To do帳に少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ下のリンクをクリックお願いします。

魔笛@Royal Opera House



今日はRoyal Opera Houseにて魔笛鑑賞。日本への帰国前最後のオペラとなります。
モーツァルトの最後のオペラでメルヘンチックなこの作品、夜の女王のアリアやパパゲーノのアリアあたりが有名ですが、それを堪能してきました。このオペラにはフリーメイソンの思想も若干入っているそうですが、そんなことを知っていようがいまいが、楽しむことができる初心者向けのオペラです。

2週間前のウィーン国立歌劇場との比較で言うと、ROHの方が僕は好きです。とにかくオーケストラの音がやさしい。歌手をよさを消してしまっていたウィーンに比べるとずいぶんと安心感があり、話の流れに集中していけました。

そして今回の魔笛で最大の感動はその演出。
予習もかねてNYのメトロポリタンオペラの魔笛DVDを見てから行ったのだが、演出のレベルに大きな差があった。もちろんDVDの作られた時期と今では技術的にずいぶんと違うとは思うのだが、Royal Opera Houseの演出は本当にかっこいい。光の使い方、宮殿の柱の色、衣装の選択、どれをとっても完璧でした。全体に黒みがかったセットに太陽の光を思わせる光が筋となって差し込んでくる…ここまで来ると演出も一種の絵画となります。

もちろん歌手のレベルもすばらしい。
パパゲーノを演じたChristopher Maltmanの歌も非常によかったし、ヒロインであるパミーナのGenia Luhmeierもすばらしい。ザラストロを演じたStephen Millingもよかったのだが、もう少し低音部分で迫力がほしかったかな。夜の女王のErika Miklosaの高音部はこのオペラの最大の見所であったがしっかりと迫力のある歌いっぷりでした。

ヨーロッパにいることのすばらしさ、オペラやクラシックに簡単に触れられるという気軽さ、それらにうらやましい…
残念ながらまもなく日本への帰国となってしまいますが、チャンスがあればぜひヨーロッパでの生活をまたしたい。もちろん今度はもう少し金銭的に余裕を持って。仕事以外に私生活でも一つの目標ができました。

明日からマドリッドに行ってきます。
美術館はプラドとソフィア、そしてちょっと足を伸ばしトレドにも行ってきます。

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0020/02/24

シントラ


ポルトガル旅行2日目はシントラへ。
シントラの文化的景観、ということで世界遺産にも指定されている。

シントラはリスボンから電車で40分。ちょっと寂れたポルトガルの都市を見ながらぼーとしているとあっという間に到着。
ここでの見所は王宮、ムーア城跡、そしてペナ宮殿。


シントラ駅の前に止まっているシントラ観光名所めぐりバスに乗り込み、まずはムーア城跡へ。日光のいろは坂を思わせるようなくねくねとした山道を登ること約10分ほどして城跡の入り口のバス停に着いた。

入り口は苔がいい具合に生えた扉。
ここから山道をのぼり城跡の城壁へと向かう。


途中の道は舗装はされていないもののしっかりと整備されている一本道。城壁を思わせる石の壁をところどころに見ながら10分ほどの山登り。石垣は若干形が違うが、苔の感じが日本の城跡とよく似ている。




山登りの後、本格的に城壁全体が見えてくる。
天気はあまりよくなかったが雨は降っていなかったので助かった。

ポルトガルの旗がいくつか掲げられており、城壁沿いを歩くことができる。


城壁の通路からシントラの町を望むことができる。
中国にある万里の長城の小さいバージョンとどこかのHPで書かれていた。実際に中国に行ったことがないのでその表現がどこまで正しいのかわからないが、一面に広がる緑と所々に存在する市街地を一望でき、とても気持ちいい。さらに山奥のため空気がおいしい。



来た道を戻り次に向かうはペナ宮殿。
ピンクや黄色で彩られてとても華やかな宮殿。

先ほどのムーア城跡とは異なり、山道を自分で登る必要はなくバスで目的にまで連れて行ってくれる。


宮殿の入り口はつり橋になっていて、中世の雰囲気を味わえる。

宮殿内は王族が昔使っていた部屋や家具、食器などの展示館となっている。写真撮影は禁止されていたので写真はないが、最近行ってきたシェーンブルグ宮殿やベルサイユに似ていた。


宮殿からバスを使わず徒歩で下山を試みた。
そして見事に失敗。迷子になってみた。

宮殿の次は王宮へ。
ここも宮殿同様に中は王族の生活の様子を展示した博物館のようになっている。
観光客の集団が多かったのが印象。

昔の王族の生活の様子を展覧してある博物館的な建物はヨーロッパではよく見るパターンだったなというのがこの2年間の感想。昔のことを知ることはとても興味深いが、何度も見ていると飽きが来てしまうのはきっと僕の教養のなさからでしょう。

王宮では山の天気は変わりやすいという言葉どおり、突然の大雨に遭遇。
城跡のような屋根のない山道で雨に降られなかったことに感謝。


ポルトガルは僕にとっておそらく一生のうちに何度も来るところではないだろう。
しかし一度来てたくさんの名所や芸術に触れられたことは間違いなく人生のプラスになった。
そしていつもと違う環境下で自分のビジネスを考え直すいい機会ともなりました。

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0020/02/23

リスボン


今週はポルトガルへ。
ポルトガルといえば大航海時代とエッグタルト!
(それしかイメージが出てこないのか、と自分でもがくぜんとしてきますが)

今回のポルトガル旅行ではリスボンに滞在し、リスボン周辺の建築物や街の周りを楽しむと同時に世界遺産に登録されているシントラという地域にも足を伸ばしてきました。

今日はそのうちのリスボン旅行記を。

リスボンでの見所として設定したのはこれまた世界遺産として登録されているベレン地区にあるジェロニモス修道院、ベレンの塔です。

ジェロニモス修道院にはかの有名なバスコ・ダ・ガマのお墓があります。
ウィーンなどで乗ったトラムに似た市電に乗ること30分で到着。

ファサードの迫力はそれほどないが、とりあえず中へ。




中にあるのはとても重厚な雰囲気の漂う大きな教会。
マヌエル建築の最高傑作、らしい…(これまた知識がなくて実際のところどんなものかはわからないが、とにかくすばらしかった)




そんな教会のなかにはバスコ・ダ・ガマのお墓。
彼の偉業を示すかのようにお墓の中心には帆船をイメージしたマークがきっちりと刻まれていました。





そして一番の見所は回廊。
きれいな青空に照らされた柱や天井に張り巡らされている紋章をとてもきれいに見ることができました。



ジェロニモス修道院の後はベレンの塔へ。

海に浮かんだように見えるこの塔も世界遺産。
塔を囲むように緑あふれる公園が広がっていて、観光客だけでなく日光浴を楽しむ人、ジョギングする人の姿も。





修道院の近くには発見のモニュメントといわれる大きな記念碑が。大きな帆船の上に大航海時代に活躍した人たちが集うモニュメントで、いかにもポルトガルという雰囲気漂うものでした。



先端の人(エンリケ航海王子)が持っているものも帆船。

これから起業していこうという自分と姿をダブらせてみる…自分にとって帆船にあたるものはいったいなんだろう?MBA?医者としての資格や知識?それとも熱意か?


市街地に帰ってきて大量のシーフード料理を食べ満足。
来るまでのリスボンに対する期待値があまり高くなかったことも幸いし、思った以上に有意義な時間をすごせました。



明日はシントラ編をアップします。

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0020/02/19

Two-sided Market



現在取っているEconomics of Competitive Strategyというクラスがなかなか面白い。
話題は以前書いたPricingからIP管理、そしてこの2週間はTwo-sided Marketについて学んだ。

講義の名前からしてGame theoryや需要供給曲線を使いまくるのかと思っていたが、実際は違う。ベースとなっている経済学的知識はわかりやすいように要約し、実際のビジネスでその理論が使われているかということに注目した授業構成となっている。

Two-sided Marketとは属性が異なる2つの顧客を持つビジネススタイルのこと。たとえばゲーム業界がそう。任天堂を例に考えると顧客はエンドユーザー、そしてソフト開発会社となる。なんでソフト開発会社が顧客になるのかと疑問を持つ人もいると思うが、ファミコンのソフトを作るためにソフト会社は任天堂からチップを購入する必要があり、ゲーム小売価格の20%くらいを任天堂に支払う事となっていたからだ。2つの収入源を確保し、その結果ファミコン本体の値段をその当時の主要競合のものよりも数段安く設定でき、結果としてエンドユーザーが大量にファミコンというプラットフォームに参加した。(ファミコンの場合はソフト開発本数を限定し品質管理を徹底したり、自社によるソフト開発、マーケティングが大成功したというほかの要因も当然あったのだが)

その際に自社のプラットフォームをベースとするビジネスモデルでどちらからメインでお金を取るのか(Money-side)、その一方でMoney-sideのひきつけるために十分なもう一方の顧客(Subsidize-side)の数をどのように管理するか。それはPricingだけでなくIP管理(シェアリングorがちがちに保護)、参入タイミング、スイッチングコストなどなど、さまざまな要因の複雑に組み合わせながらマネージしていかなければならない。どっちをMoney-sideもしくはSubsidize-sideにするかというのも重要な要素(これはPrice Sensitivityをはじめとするいくつかの因子で決定します)。

AdobeのPDFフォーマットはなかなか面白いビジネスモデルで、2つの顧客層(ソフトを使って書類を読む人とソフトをつかって書類を作る人)のうち読み手からは一切お金を取らずユーザー数を増やすことを第一目標においている。その一方で売り上げはソフトを使って書類を作る人(Acrobatを使う人のこと)から。Acrobat Readerをつかって書類を読むユーザーを増やすことでPDF形式の書類の需要を増やし、その需要にこたえるべく書き手がお金を払ってAcrobatを購入する。

そんな例をたくさん扱いながら自身のビジネスモデルに役立てられるかを考えた。
でてくる、でてくる。(そのうちのいくつかは自分がやりたいビジネスとはちょっと違う方向に行ってしまうのだが)

何とか自分が本当にやりたいこと、顧客が望むこと、そしてちゃんとビジネスとして成り立つことを可能にするプランを作り上げるにはもう数段階のモデルチェンジが必要だと現在痛感している。その一つの答えとなるかもしれないTwo-sided marketの知識を得られたことは幸運だったと感じる。

明日からボツボツとリスボンに行ってエッグタルトでも食べながらビジネスプランを練ります。なにか新しいアイデアがポルトガルの空から降ってくることを期待して。


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0020/02/18

ニーズ≠買いたい



自身のビジネスを見直し中。
そこで必ず大きな壁にぶつかる。それは題名にもあるように「ニーズ≠買いたい」という問題だ。

いい商品やサービスがある、客のニーズもそこにある、しかし客がお金を払ってそれを獲得しようとするかどうかはまた別の問題。

今考えているビジネスがまさしくこの部分で引っかかっている。
客のニーズはどうやらありそうだ。
サービスに関してはできる限りいい物を提供しようと思うし、明らかに現状存在するものよりはいろんな面で優れていると思う。
問題はそれに対してお金を出そうと顧客が思うかどうか。

どうやって狙っている顧客層を引っ掛けてくるか…お金を払ってまで得たいと思えるような魅力あるサービスや商品を提供できるか…

悩みが深くなっていく今日この頃です。
一度今あるビジネス構想を完全に崩して一から考え直す方がいいのかも…
急がば回れ?

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