0020/02/19

Two-sided Market



現在取っているEconomics of Competitive Strategyというクラスがなかなか面白い。
話題は以前書いたPricingからIP管理、そしてこの2週間はTwo-sided Marketについて学んだ。

講義の名前からしてGame theoryや需要供給曲線を使いまくるのかと思っていたが、実際は違う。ベースとなっている経済学的知識はわかりやすいように要約し、実際のビジネスでその理論が使われているかということに注目した授業構成となっている。

Two-sided Marketとは属性が異なる2つの顧客を持つビジネススタイルのこと。たとえばゲーム業界がそう。任天堂を例に考えると顧客はエンドユーザー、そしてソフト開発会社となる。なんでソフト開発会社が顧客になるのかと疑問を持つ人もいると思うが、ファミコンのソフトを作るためにソフト会社は任天堂からチップを購入する必要があり、ゲーム小売価格の20%くらいを任天堂に支払う事となっていたからだ。2つの収入源を確保し、その結果ファミコン本体の値段をその当時の主要競合のものよりも数段安く設定でき、結果としてエンドユーザーが大量にファミコンというプラットフォームに参加した。(ファミコンの場合はソフト開発本数を限定し品質管理を徹底したり、自社によるソフト開発、マーケティングが大成功したというほかの要因も当然あったのだが)

その際に自社のプラットフォームをベースとするビジネスモデルでどちらからメインでお金を取るのか(Money-side)、その一方でMoney-sideのひきつけるために十分なもう一方の顧客(Subsidize-side)の数をどのように管理するか。それはPricingだけでなくIP管理(シェアリングorがちがちに保護)、参入タイミング、スイッチングコストなどなど、さまざまな要因の複雑に組み合わせながらマネージしていかなければならない。どっちをMoney-sideもしくはSubsidize-sideにするかというのも重要な要素(これはPrice Sensitivityをはじめとするいくつかの因子で決定します)。

AdobeのPDFフォーマットはなかなか面白いビジネスモデルで、2つの顧客層(ソフトを使って書類を読む人とソフトをつかって書類を作る人)のうち読み手からは一切お金を取らずユーザー数を増やすことを第一目標においている。その一方で売り上げはソフトを使って書類を作る人(Acrobatを使う人のこと)から。Acrobat Readerをつかって書類を読むユーザーを増やすことでPDF形式の書類の需要を増やし、その需要にこたえるべく書き手がお金を払ってAcrobatを購入する。

そんな例をたくさん扱いながら自身のビジネスモデルに役立てられるかを考えた。
でてくる、でてくる。(そのうちのいくつかは自分がやりたいビジネスとはちょっと違う方向に行ってしまうのだが)

何とか自分が本当にやりたいこと、顧客が望むこと、そしてちゃんとビジネスとして成り立つことを可能にするプランを作り上げるにはもう数段階のモデルチェンジが必要だと現在痛感している。その一つの答えとなるかもしれないTwo-sided marketの知識を得られたことは幸運だったと感じる。

明日からボツボツとリスボンに行ってエッグタルトでも食べながらビジネスプランを練ります。なにか新しいアイデアがポルトガルの空から降ってくることを期待して。


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