0020/03/09

お世話になった先生

あるプロジェクトの関係で調べ物をしていたら大学時代に大変お世話になった先生の名前の入っているサイトが引っかかった。

お世話になり始めたの大学1年のころだからもう10年以上前。遺伝子関連の研究を大学の研究室でされていた先生だった。医師であり実際に治療にも携われていた方だ。癌を遺伝子の面で解明して治療に役立てたいという強い意志をもって研究をされていて、その先生のことを僕はすごく尊敬している。

学生時代その研究室を頻繁に訪れて遺伝子にかかわる研究の方法やその当時のホットな話題などをとても丁寧に教わった。役に立てたのかは今思うとかなり疑問だがちょっとしたお手伝いのようなこともさせていただいた。大腸菌やイースト菌を培養したりした。ご自宅に呼んでいただき晩御飯をいただいたこともあった。とても面倒見のいい先生だ。

その先生は間違いなく優秀な研究者であると今でも思う。実際にNatureという雑誌に論文を載せたりもしており、いわゆる実績もあった。その当時の僕が「この先生はすごいな」と思ったところはその思考回路だ。いわゆるロジカルシンキングを実践されていた。

研究のテーマを決めるのプロセスが特に印象に残っている。まず最初に自分の大きなターゲットを設定する。(「癌のアポトーシス(自然死)をほかの細胞にあまり影響させずに誘導する」など)
その上でその周辺のある過去のいろんな人の研究をしっかりと調べる。そして仮説を立てる。
Aという物質がBという現象を起こし、そこからCというストッパーが消えることでDが強くなり、結果としてEという現象が起こる。。。みたいな一連の流れの仮説を立てる。
それを証明するために必要なデータは今のところAがBを起こすところだから、これを中心に研究する。研究する上で可能性としていくつかのルートが考えられるので、それぞれについて実験の方法を考える・・・などなど。(簡単に書いたためすごく稚拙に見えますが、実際はもっともっと複雑です)

大きな事項を細かく落としていくプロセス、そして仮説思考。それらはいままで医師だけでなくコンサルタントや弁護士さんなどいろんな人たちを見てきたが間違いなくトップクラスだといえる。つい先日もその先生のことを思い出し、本当にすごかったなと思い返していた。

しばらくお世話になっていたのだが、大学4年のときに先生がほかの研究所に移られてしまい、その後連絡が取れなくなっていた。何度かネットで調べたり、知り合い伝いで調べたのですがなかなかたどりつかずに悔しい思いをしていた。


そしてつい先日、冒頭のとおりおよそ10年ぶりくらいに「つながった」・・・・


驚いたことに先生は起業されていた。代表取締役社長の欄に先生の名前が。
内容は抗がん剤の創薬関連のビジネスだ。その会社のHPを見て思ったのは、以前先生が研究されていた内容をベースに研究から現実の治療への橋渡しをしているようだった。昔の先生VCやエンジェルとのファイナンシング、そして大きな会社との提携などもすでに経験されているようだ。


あまりのうれしさのあまり会社のHP経由で先生へコンタクトを試みたところすぐに返事が返ってきた。


僕のことをしっかり覚えてくれていた。10年以上も前のことだし一人の学生としてお世話になっていたのでもう忘れられていてもおかしくないと思ったが、当時サッカーを同好会としてやっていたことなど、細かいことも。

覚えていてもらったこと、写真の見た目も昔とぜんぜん変わらないこと、起業されたあとも昔と同じビジョンを持って仕事をされていること、そして順調に会社を成長させていること、そのすべてに喜びを感じずにはいられなかった。


その先生とはビジネスの軸がまったく違うけれども起業という同じ舞台に立って学生時代と同じようにたくさんのことを学びたい、そしてMBAを通じて少しは成長しているであろう自分の姿をみせたい、そんな思いを強くしました。


応援お願いします。

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