0020/03/11

Blu-Ray Format




今日は雨風ともに激しく、イギリスらしからぬ天気でした。

こちらでは通常結構な雨でもかさを使わない人が多く、今日もかなりの雨にもかかわらず傘を使っていない人続出。しかし今日は風の強さはすごく、もう10年ほど前に買った水をはじかないユニクロ製の折り畳み傘は見事にお猪口になり全く役立たなかったから結局のところ傘を差しても差さなくても濡れた・・・

今日はプロジェクトのプレゼンがあった…はずだった。ところが教授がアメリカからロンドンに帰ってくる飛行機が強風のためヒースローに着陸できず、ベルギーにおろされてしまったことで授業自体がキャンセルに。

せっかく用意したのに…無念です。

だからせっかくなのでブログにその内容の一端を。


以前ブログにも書いたEconomics of Competitive Strategyというクラスで最終レポートとして友人と選んだテーマはBlu-Ray VS HD-DVD。この事例はTwo-Sided Marketのプラットフォームの覇権を争う象徴のような出来事だったため使い勝手がよかった。これから書くことはさまざまな記事を読んだり分析した結果の私見です。


ソニーサイドの勝因としていろんな事が言われている。技術力というよりもむしろほかの因子の方がでかかったことは皆さんもご存知だと思う。Two-sided Marketの原則に基づきこの事例を考えると、1つのユーザーはいわゆるエンドユーザー。もう一方はハードウエアやコンテンツを作る業者。それらが共通言語として使うフォーマットとしてBlu-RayをつかうかHD-DVDをつかうか、というのが話の中心だった。その際にもっとも大切なのは片方のユーザーの動きによってもう片方のユーザーの選択に影響を与えるということ。今回の戦いで一番大きなポイントとなったのは大手の映画配給会社の動向だった。なぜならばエンドユーザーがBlu-RayかHD-DVDかを選ぶ際のポイントとして最も重要視していたのはどういったコンテンツが見られるか、という点だったからだ。

そしてその映画配給会社に対してのアクセスがよかったのがSonyをはじめとするBlu-Ray側。CEOがもともと映画業界だったSonyはとくに。それに対してHD-DVD側はそのアクセスが弱く、それを補うため多額のお金を映画配給会社に支払って自分たちのサイドに引き込もうとしていた。パラマウントは引き込まれた企業の一つ。しかし多くの企業は最終的にBlu-Rayを選んだ。それはBlu-Ray側の努力もあったが、ひょっとするともう一つ重要な要素があるかもしれない。それは開発目的の違いである。

HD-DVDはもともとパソコンでつかう新しい用量の大きいメディアにすべく開発されたそうだ。逆にBlu-Rayは最初からAV分野の品質向上を目的にされていた。この業界の企業はそれぞれの新世代DVDの目的に応じて自分たちがつくサイドを決めていたように思える。ToshibaをはじめMicrosoftやIntel, NECといったPC関連の企業はHD-DVDで、Pioneer、HITACHI, SONYはAV分野で新しいフォーマットを使いたかったためBlu-Ray側へ。映画配給会社はAV分野なので自然と多くがBlu-Ray側がつき、そして顧客のニーズはPCメディアとしてではなくきれいな映像を見るための次世代DVDという点でBlu-Rayに分があった。


映画配給会社(コンテンツ)をひきつけることと同時に直接エンドユーザーを増やす必要もあり、ゲーム機におけるドライブにまつわる戦略の違いが非常に面白い。

ソニーはPlaystation3にBlu-Ray Driveを標準装備した。逆にMicrosoftのX-Box360はHD-DVDを付属品とした。この違いは非常に大きい。なぜならばPlaystation3を買った人は自動的にBlu-Rayのユーザーになる一方、X-Boxの方はよほど強い意志をもった人以外は新規にHD-DVDのユーザになることはなかったからだ。

なぜMicrosoftはHD-DVDを標準装備としなかったのか?コスト面を考えるとなかなか導入しづらいが、SonyがPlaystation3にBlu-Rayを標準装備することは前からわかっていた話なので、HD-DVDドライブを標準装備にして何とかそれに対抗することはできたのではないだろうか。

その原因として東芝をはじめとするHD-DVDサイドの意思疎通の悪さがあったのでは?と見る人もいる。
しかしもうちょっと面白い見方をしている人もいる。それはMicrosoftの長期的戦略に基づいて意図的に標準装備しなかったとする説だ。

マイクロソフトの長期での狙いは今の新世代DVDにおける戦いに勝つことではなく、その次に始まるであろうネット映像配信におけるフォーマットをめぐる戦いに勝つことであると考えられているそうだ。
その戦いに勝つためにはできる限りライバルとなる企業の体力を削いでおきたい。
もし新世代DVDの戦いが激しい消耗戦になればそれぞれのサイドにいた企業は次のネット配信フォーマットでの戦いに必要な体力を失い、結果としてMicrosoftが非常に優位な形で戦うことができる。
だからこそ、新世代DVDにまつわる戦いをある程度長引かせたかったのでは?というのがある専門家の意見だ。

スタートからして若干分の悪かったHD-DVDのサイドに「あえて」加担し戦力の均衡を図り、3,4年にわたる戦いを誘導したのか?
Microsoftのとってはどちらのフォーマットが勝ってもよかったのだがある程度の戦いの結果最終的にはBlu-Rayが勝つと考え、いざ自社に痛みをもたらす可能性のあったX-BOX360へのHD-DVD標準装備に関してはオプションという形を取ってごまかしたか?
当初の目的である激しい消耗戦を実現したのでこれ以上の加担は無駄だと判断したから?

それらがもし本当ならば恐ろしいほどの戦略だ。


この話を考えたときに瞬時に頭をよぎったことがある。それは「Zガンダムにおけるアクシズの行動にそっくり」ということ。ガンダム知らない人には何のことかチンプンカンプン、全くわからないと思うが、Blu-rayサイドはエゥーゴ、HD-DVDサイドはティターンズ、そしてマイクロソフトはアクシズに置き換えられる。
それらは三つ巴の勢力で、アクシズはエゥーゴについたりティターンズについたり、ある意味戦いにおけるキャスティングボードを握っていた。最終的にエゥーゴがティターンズとの戦いに勝つがその代償としてかなり消耗。アクシズは消耗する前にその戦いから撤退して様子見。結果としてアクシズの勢力が一気に強まった(ZZガンダムの最初の方)、という話。

おっとオタク路線へと進みそうに・・・


そして思った。

Strategyだ!

ビジネスも戦争。そして勝つためにはしっかりとした戦略が必要。長期的視点と短期的視点をうまいこと組み合わせて練った戦略に基づいた行動を取れる企業が結局のところおいしい思いをする可能性が高い。

なにげなく学校で使っていたStrategyという言葉がビジネス単語ではなくもっと重い意味を持っていることに改めて気づいたいい機会となりました。

(残念ながら準備を万全にしていたプレゼン自体はなくなりましたけど…)

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1 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

vertical competitionですね!
マイクロソフトの話、ふかいすね。