0020/03/12

Brent Hoberman (Lastminute.comの創設者)




昨日はロンドンにあるImperial Collegeまでお出かけ。目的はオンライン旅行サイトで有名なLastminute.comの創設者であったBrent Hobermanの公演を聴くためだった。
同じロンドン内にある大学なのでバスに乗って気軽に訪問。ベーカーストリートから20分くらいで到着。

今回の公演に対する期待度は非常に高かった。理由はいくつかあるのだが主に2点が挙げられる。
1.スタートアップにいたる経緯や苦労を聞きたい
2.Two-sided Marketの構造をしたビジネスを展開する際のヒントを探したい
二つの話題とも帰国後のビジネスにかかわってくる重要なファクター。よりよいビジネスにするためのヒントがあることを願いながら聴講。


USでブームの兆しを見せていたインターネットとイギリスで盛んだったオークションのテイストをブレンドしようと思ったことが始まりだったらしい。
他国で流行っているものを自国に持ち込んでちょっとしたエッセンスを加えることでいいビジネスができるということは以前LBSにきてくださったグロービスの堀さんの話と通ずる。Brentは「ビジネスアイデアにはタイミングが非常に重要だ」という表現をしてその事項について説明していた。

また、彼自身インターネットをかなり使うユーザーだったらしく、顧客の視点からどういったサービスがいいのだろうかということを常に考えられる環境だったとも言っていた。


起業の際にポイントとなったのは「熱意」「想像力」「お金」「人」「顧客視点」「技術の適応」そして「信頼度」だったそうだ。
お金に関しては自分たちが思っていた以上にかかった、と。ファイナンシング、ファンディングはとてもストレスを感じる作業だが必要不可欠だったのでかなりがんばったとも。
人はやっぱり重要。同じビジョンを共有できる人、あまり同じ系統の人を集めすぎないこと辺りの話。ビジネススクールでもよく聴く話だ。
顧客視点は絶対不可欠。すべては顧客から。ニーズがないとビジネスは成り立たない。それは技術の適応とも関連する話で、いくら作り手が「すばらしい」と思うような技術でも客のニーズにあっていなかったら役に立たないし、いくらきれいでも客が使いづらいと思うようなサイトにしてしまったら全く意味がない。

信頼度は2つの意味。投資家に対する信頼度と顧客がサービスや会社に対して抱く信頼度。投資家が投資を決定する際にスタートアップだと当然信用性が低い。そのためファイナンシングが難しい。また顧客が抱く信頼度についてはもっとクリティカルで、自社に対してあまり信用をしていないという状況でビジネスが始まるためいくらよい商品を作ったところで買い手がつくとは限らない。これら二つの信頼度のうち特に顧客が持つ信頼度については常に対策を考えていくことが大切。どうやったら商品の信頼性が上がるのだろうか?それは口コミかもしれないし報道などのパブリシティーかもしれない。ビジネスの携帯によって変わってくるだろう。


また、Lastminute.comはプラットフォームビジネスだと考えられる。そのためTwo-Sided Marketの考え方が非常に重要だ。一方のユーザーはいわゆるエンドユーザー(顧客)。もう一方は航空会社やホテルなどのサービス提供者。Lastmituteはそれらのユーザーをつなぐプラットフォームである。Two-sided marketのためどちらかのユーザーの動向がもう一方の動向に大きく影響する。

そのコントロールの仕方についてBrentが言っていたのはやはり「顧客視点」。エンドユーザーのニーズが何かをしっかりと把握することで自動的にもう一方のユーザーに対してどのようにアプローチしていけばいいのかが決まると。基本的に顧客は「いいものを安く」と考えているため、それを実現するためにはサービス提供者に対して低価格での提供を求める。しかし当然ながら見返りがないとサービス提供者はそんな要求はのみづらいからどうやって自社を含めた3方にとってWin-Win-Winの関係が築くことができるかを考えていく。そこで一番大切何が「顧客視点」。それが少しでもかけてくるとWin-Win-Winの関係だと思って始めたビジネスが実を言うとLost-Lost-Noneという関係になりかねない。

ビジネスアイデアに煮詰まってきたり新しい要素を入れようとすると自然と「顧客視点」が失われやすい。実際に僕が作ってきたプランの中にもいくつかその失敗をしていると思われるものがある。今回の講演を聴いて改めて「顧客視点」という原点を忘れないようにしようと思った次第でした。


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